Geniusな日々をご紹介

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 前回のフロントアクスル好評?につき、今日はR6ドライブスプロケットの組付けで御座います。(近年のR1にも適用)




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分解後、スレッドに残ったロックタイト等取り除きます。
次にハブとスプロケットの合面の腐食等を取り除き、平滑に。




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スプロケットが上下に遊ばない程度にナットを噛ませ、駆動応力方向に捻り芯出し位置決め。




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締付の指示値100NmはM10P1.25に対してはとても大きな数字で(軟鋼なら一般的には30Nmくらいです)完全にドライな状態でのフリクションを含んだ値とみなします

以上を踏まえてスプロケットのナット座面も予め脱脂。セルフロックナット&ワッシャーは多少の金は掛かるが新品を使用するようにしています。これはナット座面の摩擦係数を一定に保つ為。

標準品のワッシャーは一般的なプレスで抜いた片面の丸い安価な物では無く、両面共精度が出ている非常に硬い素材に硬質クロームメッキをかけた物で、使用中に潰れてきてナットが事実上トルクダウンするのを防止しています。均等で安定的な軸力を得る意味でも標準品以外のナット、ワッシャーは使用不可。

ボルトにロックタイト塗布、対角順に2回に分けて締付。



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これはユーザー自身の作業によるスタッドボルトの折損例。
マニュアル参照、トルクレンチ使用での破損です。
作業中はオイリーですからクリーニングが不十分だったと思われます。

大きな指示値はボルトの降伏点(緩めたらもとの長さに戻る境目)付近で固定するのが目的なので、座面のμが低ければ簡単に断裂します。逆に潤滑して減算も可ですが、一定というのが得にくく、個々のデータの蓄積が必要で採用し難い面があります。

100Nmという数字はS社ハヤブサのRアクスルの締付トルクとほぼ同等ですから驚いてね。
個人的にはYAMAHAの締付トルクは他社より指示値が大きい傾向があるように感じます。
何事も鵜呑みにせず、思慮深く扱いましょう。




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当社スタッフが普段サクサクやってるヤマハ・スタンダードを理屈っぽく御紹介しました。
バイクも200馬力近くになりますとね、「みたいな」「的な」じゃ無理ってもんです。

*些細な作業に込められた数々の配慮より、ナット6個でここまで引っ張る自分、凄い。
こんな事ばかり考えてるからか近頃髪の毛が

ボーボー です。

   ลาก่อน ครับ/ค่ะ  by Genius.

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少し前でしたかオーナーさんの目の前でサクッとタイヤ交換をしたら「グリスとか塗らなくていいんですかー?」
みたいな感じで不安そう?だったので(フツーに組んだんだけど、、)本日はR1、フロントアクスルの組み方で御座います。




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R1という車はハードブレーキングや超高速コーナリング等が想定されている事、フォーク右がテンション、左がコンプレッションと減衰の役割が独立している事等からR1のフロントアクスルには非常に高い締結剛性が求められていて、結果太いアクスル外径(周長が長くなる)を持ち、受け側もピンチボルト2本留めです。(FZ1は左右共1本で敢えて剛性を下げています。)左右方向の捩れや左右フォークの上下動に差が有っては高エネルギー下で良好な操安は望めないと言う事です。




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マニュアルではアクスルはルブリケート指示がありますが、単に防錆上の問題。
両端とクランプ内側の油分はドライな状態までふき取ってしまいます。




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ホイル組付け後アクスルボルト座面にヤマハグリースB塗布。左のフォークにホイルを引き付ける力をボルトのフランジ部の摩擦に取られない為の指示です。




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9.1Nmで締付。ヤマハの設計は左側が寸法の基準になっていて足回りもエンジンマウントも左側からキメていきます。




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左側ピンチボルトを21Nmで画像向かって左→右の順で締付。片側を締めると片側がトルクダウンするので指定値でボルトが回らなくなるまで繰り返す。




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フォーク右。アクスル端とクランプ部端をツライチにそろえて、向かって左→右の順に。後は一緒。

この様に組むことによって

*設計寸法どうりになるので左右キャリパーとも中央にディスクが来ます。アライメントも正確です。
*フォークとディスクの平行が保たれるので引きずりが少なくブレーキのタッチが良好。
*クランプ部が滑らないので締結剛性も高いのです。

すごそーに書いたがこれでスタンダード。

「グラム何千円のグリスを使っている」とかもいいのですが、先ずは設計者の意図を理解しましょう。
マニュアル記載の要領なのですがホイルを一本組むのにも色々な配慮がなされているのです。

目の前でチャッチャとやったけど手抜きじゃ無いからねー。余計な事をしないだけ。
「丁寧とは何ぞ」という事であってそれは大切な事なんだよ。ね、井〇君。
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