Geniusな日々をご紹介

2014/01123456789101112131415161718192021222324252627282014/03

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
まだまだ寒い日が続きますね。

今日は寒いうちに巷で言う暖機運転について書いてみようと思います。

そもそも「だんきうんてん」というのは何なんでしょうかね?
始動後乗車前の機関の運転の事なのか、乗車後のライディング法なのか?
対象車両の構造が多様なのに一まとめで良いのか?
たまにWebや雑誌等で目にしますといろんな人がいろんな事書いてます。
肯定派と否定派に分かれている様で行為の定義付けが曖昧なのにこれではまとまりませんね。

目にした物を整理すると殆どが 

1.経済的 2.環境的 3.機械的 の3つのどれかの見地から述べられております。

......................................................

1.経済的見解
と言うと真っ先に燃料の消費。乗り物ですから移動をしない間の消費は無駄。冷機始動時はFIにしてもキャブレターにしても燃料を増量しますので特に勿体無いと言えます。「バイク長持ちしないじゃん」は機械的に分類してここでは却下。

2.環境的見解
最近増えてきた論点。
A)マクロ環境はCO2排出による温暖化。混合気は過濃も希薄も不完全燃焼でHC(炭化水素)が多くなります。話題のPM2.5の素

B)化石燃料、石油資源の渇枯。

C)ミクロは御近所への騒音。規制値が何dBであろうが関係無し。レーシングorパーシャルも威圧的。ついでに幹線道路まで押して行って始動は庶民的か?

3.機械的見解
機械的ダメージ
A)潤滑を気にする向きが多い様です。

圧送飛沫併用が近代の4ストロークエンジンの潤滑方法としては大部分を占めます。
カムやクランク等の軸受がボールorローラーベアリングの物は配慮不要。
大型車&多気筒に多いプレーンベアリングは浮動式軸受でして油圧、油量が必要です。

YAMAHA標準指定10W-40のオイルは-25度から始動が可能と申しますが、低温になる程粘度が上り高油圧、少油量となります。(その時のオイル粘度によってはオイルプレッシャーリリーフバルブの開弁圧に達する事も有る)
熱量と圧送量(ポンプの回転速度)の確保と回転軸が境界潤滑を得る為にある程度のエンジン回転速度は必要です。

飛沫はピストン、シリンダー、ミッション等。クランクウェブが油面を叩いて飛沫-潤滑します。
攪拌抵抗&オイル劣化を嫌ってオイルラインに設けられたジェットから噴射する(こちらは圧送)物も有ります。
やはり早期に粘度は下げたいが、無視して良いレベル。

B)ドライスタート
長期放置で軸受、シリンダー壁に必要な油膜厚が無い場合。始動後数十秒でヘッドにオイルが湧き出す筈です。
始動極初期は著しい磨耗有だが論点が違うのでここでは述べず。とりあえず「放かした貴方が悪い。」

C)熱膨張
物体のサイズは温度で変わる。エンジンは素材の組合せ、膨張係数や部位による温度差を考慮して造られてると言って良い。アルミのケースやヘッドに炭素鋼のクランク、カムシャフト等の組合せは温度上昇過程でクリアランスは大きくなりますので心配無用。シリンダー&ピストンは始動直後ピストンの膨張の方が早く温度上昇に伴ってオイルクリアランスは小さくなりはしますが、予め膨張分クリアランスを大きく取ってあります。

ただし部品間の急激な熱膨脹差はオイル漏れ等を引き起こす可能性が多少は有るでしょう。

.........................................................
こうして考えると始動直後に走り出すのに何ら問題は有りません。
ただし、走り出せれば、、、です。

4.ドライバビリティ
「冷えてると調子悪い」

A)エンジンの始動
実際にキャブレターからのガスの吐出を見た事が有る方いらっしゃいますかね。気化器と言えど気化とは程遠く、荒い滴がビチビチ飛んで熱い吸入管に触れ、気化した物を燃焼室内に吸い込む訳です。

吸入管が冷えているとキャブレターで計量され吐出した燃料が管内に張り付いてしまい全量吸入出来ないので燃焼室内の空燃比は希薄となります。(多気筒シングルポイントのFIでも同様)

これでは始動出来ないので

○燃料を別系統で増量するのがバイスターター機構(殆どコレ)

○吸入管を閉じて吸入空気量を減らすのがチョークと呼ばれるものです。(現在HONDA 一部の小排気量モデル 絶滅寸前)

○その昔は燃料をオーバーフローさせて燃焼室に流し込む力技、ティクラーなんて物も有りました。(70年代以前)

仕組みは違えど空燃費の帳尻を取っているのはとれもも同じであります。
冷機時必要な空燃比は温度にもよりますが計量直後で大体4~5:1(重量比)からです。

これで始動が可能になりました。

その後、

B)ファーストアイドルが得られるか?アクセルを戻す度にストールしていたのでは運転に支障を来しますね。


C)スタート出来るか(発車)?アクセルを捻っていくとスロー系にプラスしてメイン系が作用する様になりますが、
ベンチュリの開口面積が増えていくに伴い空気が流れ込んできますので運転可能な温度に達していなければ失速します。

私はキャブレターの調整をする時に油温60度以上で行いますが、これは燃料の気化が安定的に行われる下限に相当するからです。ここは思い切って正常な運転温度とは油温60度以上と言ってしまいましょう。 (運転可能温度では無いよ)

横型通風の長いインテークポートを持つXJRみたいな車は辛い。特に11年排ガス規制以降はアイドル時理論空燃費近くで燃やそうとしているから冷えていると薄いのが顕著です。アイドルさせて待っててもフガフガいっていつまで経ってもスタート出来ない。温度が必要で、温度は燃焼によって得られるもの。
ハイ、ここまでがキャブレター装着車&シングルポイントFI車(多気筒1インジェクター)燃料の気化について。
インテークバルブの真上から噴射するFI車はあまり影響は大きく無い。コールドスタート即発進可能。

*始動後レーシングしたりパーシャルで回転保ってられる住宅環境の方なかなかいらっしゃらないのでは?
空冷で有ればシリンダーヘッドだけが急速に熱を持つのは好ましく無い。走行風を当ててオイルを循環させてやる方が初期の温度差は小さいよ。

.........................................................

長文でしんどくなってきたのでまとめます。

○冷機始動後スタート可能であれば走ってしまった方がメリットが多い。

○キャブレター装着車でグズる奴はスターターノブを引いたまま発車して様子をみて戻せば良い。

○適正な運転温度は油温60度以上は欲しいが、これを書いている2月上旬深夜~早朝では30分走ってもその近辺です。
特に水冷又はオイルクーラー装着車は速度を上げると直ぐ下回ってしまいます。言うなれば永遠に暖気運転ですので敢えて行為としてするべき事は多くは無く、運転の極初期だけレブリミットの6割程度に回転を抑えてあげれば良いのでは?

IMG_0770.jpg

○アイドルが長い車は例え暖気後でも吸入した混合気がバルブやピストンヘッドから熱を奪うのでピストンクリアランスが大きく燃焼の吹き抜けが多い。(オイルの汚れが早く、水分による乳化も見られる)オイル消費も増えるのでカーボンも堆積し易い(バルブ虫食いの元凶)。中には潤滑不足回転不足でカムがかじっているのもある。
参考→http://heatspot.blog112.fc2.com/blog-entry-83.html
参考→http://heatspot.blog112.fc2.com/blog-date-20121107.html
*機関の範囲は年式問わずで緩衝装置(サスペンション)や動力伝達系は除く。これも冷えてたからって壊れる事無いです。
誰だい?チェーン暖めるなんて言ってるの、、(レースじゃないからね。)
一度暖機後エンジンを止めて熱を伝播させる?(正確なデータ計測の際、シャーシ・ダイナモ上では有るかもね)

総じて何を目的とするか、、だと思います。

...........................................

以上、
近代の技術レベルで製作された車両は敢えてするべき事が無い

整備的な言い方をすれば

暖機運転とは

「適切な運転温度に達するまでの機関の運転」

と言える。

乱暴に言うと

「始動後、油温60度までの間」です。

(水温にあらず。油温の立上がりはもっと穏やか)

これは誰でもしてる事。(意識が無ければ「暖機はしてない」と言うだろう。)

.............................................

漠然とした情報が氾濫している中で敢えて書いてみました。
熱心なユーザーには関心の高いテーマであると思います。
御自身のバイクですので御自身の作法が有る方はどうぞご自由に。

但し、意識過剰が過ぎて「健康の為なら命掛ける」
みたいな本末転倒の倒錯した世界に入らぬ様。
私は修理屋ですのでまじない、迷信の類は好みません。

............................................

年明けサボってたから頑張ってみたけどいかがだったでしょうか?

明日から皆様も試してみてね。(何もしない事を?)

Was I able to write it Cool?  by Genius.
スポンサーサイト
 / Template by パソコン 初心者ガイド

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。